家の家族の間では昔からとある儀式があります。祖母の代から続いている儀式で、今でも続いてはいるのです。家族の誰かの誕生日が来たとき、柏餅を作って近所の知り合いや友達に配るという習慣なのです。今年の私の誕生日にも実家に帰省して家族揃って柏餅を大量に作りました。いくつ作ったか忘れましたが呆れるほどたくさんでした。

そして実家の近所に住んでいる昔からの幼馴染に配ったり、私が幾つか持って帰って近くに住んでいる友達に配ったりするといったパターンです。なぜ柏餅なのか、私も分かりません。でも決して嫌いな作業ではないのです、これが。作っている間は無心になれますし、今まで歩んできた人生について色々と振り返って考えたりできる家族との時間です。

こういったことを大人になっていも続けている家庭はあまりない気がしますが、母は元々お茶をやっていたりして和菓子が好きなので柏餅作りのときも張り切ります。職場で知り合った同世代の人たちにも配ったりしますが、こういった習慣があるなんて素敵だと誉めてくれます。あまり今時の人はやらないでしょうからね、誕生日に和菓子作り。

今年は残念ながら弟の誕生日のときにどうしても外せない仕事の研修会があったので私はそのときの柏餅会は欠席するしかありませんでした。後で両親と弟が三人で作った柏餅の写真が送られてきましたが、いつも通り呆れるほど大量に作ってありましたね。私が配らなかった分、少しは余っただろうな。

誕生日に柏餅を作るという儀式